僕の父さんは風景画家。
小さい頃から日本中を転々と移り住んで
僕は色々な土地で育ってきた。
サッカーボールがあれば、すぐに友達も出来たし
度重なる出会いと別れにすっかり馴れっこになってた。

高校2年の春。
引越しの当日、以前に見た事のあるおじさんが訪ねて来た。
『太郎、ちょっと出てくる・・・』
知らないおじさんと父さんの背中が小さくなって、
僕の胸に大きな不安が広がって行く。



『太郎…すまん』

父さんがぺこりと頭を下げた昼下がり。
その日から… 僕の人生が

            大きく変わって行った。

**********************

『うわぁ〜・・・』
僕はその朝、陽壱学園の門の前で圧倒された。
私立陽壱学園。
日本はもとい世界に名を轟かせる超有名私立校!
幼稚舎から大学までのエスカレーター式。
リッチな家の子供が多く通う事が有名で、
現在はサッカーの名門校としても広く名前が通ってる。

な…なんか校舎まで続く道が森みたいなんだけど…
つい、キョロキョロ見渡しちゃった。
木陰からチラと見える塔なんてフランスのお城みたいだよ。。
父さんが、自分は好きな事をするんだから
僕にも好きな道を進んで欲しいって、この学園を選んでくれた。
超一流のサッカーが学べるからって選んでくれたけど
・・・・・・・・・なんか大丈夫かなぁ?

『君のクラスは2−Bだ』
先生の後を付いて学園の長い廊下を歩く。
でも、なんか今までとは違う感じ。
今までの先生ってみんな誰しも

『岬君、すぐに馴染めるから大丈夫』
とか声をかけるのに。

僕の事なんてまるで目に入って無いように
スタスタと前を歩いてく。
教室の前で、僕の緊張も頂点に高まる。

『岬 太郎です』
僕の挨拶に
誰も、眉一つ動かさなかった。

『見ろよ、あいつのカバン』
『貧乏くせぇ〜』
『アイツは俺達の仲間じゃないな』
なんとなく聞えてきた声。

『じゃあ空いてる席について。。。授業始めます』

僕が席に座った時、
たった一人、隣のヤツが
僕の目を見て微笑んできた。

なんか、変な感じ。


HR終了のチャイムが鳴った途端
みんなが一斉に喋り出した。
『昨日、誕生日で親父からロンレックス貰ったんだ』
『スゲー!』

ロ・・・ロンレックスの時計。。。

『コレ、200万くらいするだろ?』
『まあな!!!』

ぺかりん。と輝くロンレックスを
誇らしげに掲げるクラスメイトを横目に
僕が目線を逸らした途端、隣のヤツが肩を寄せてきた。

『なあ、昼飯、一緒に食おうぜ』

え?

目の前に『爽やか』を絵に描いた様な笑顔が浮かぶ。
『俺、松山。松山光。。。宜しくナ!』

僕はそっと周りを見渡した。
誰も、僕等の事なんて気にも留めてなさそう。

『・・・うん』

今まで転校した学校ではこんな事無かった。
転校生って本当はもっと物珍しくて
みんな話しかけてくれたりしたのに・・・

隣の松山の反応が、僕をちょっとだけ安心させた。


『ココはさあ、金持ちの子供ばっかいるんだぜ』

お昼の時間、屋上で松山とご飯食べた。
結構都会にあるのに校庭に生えてる木々のセイかな?
なんか顔に当たる風が気持ちいい。

『貧乏人は相手にされないんだ。俺も高校からの受験組だけど
 クラスメイトとこんなに話したの、お前が初めて!』
『へえ〜』
『なあ、岬、仲良くしようぜ』
『う…うん』
『そうだ!岬はなんでこの学園に来たの?』

僕はポツリポツリと自分の話をした。
父さんの事。転校ばっかりしてた事。
サッカーの為にこの学園に来た事。

『なら岬は俺等側だな!』

松山の話によれば、幼稚舎からの
鼻持ちならないクラスメートは
貧乏人なんて目に入らないんだって。

『なんか変な所に来ちゃったなあ・・・』

僕がお弁当の箱を閉めようとした時、
下からどよめきが沸き起こった。

『お!岬、こっち来いよ』

松山の隣に寄ってフェンスから下を見下ろした。

黒塗りの大きな車が滑るように走りこんで来た。
なんだっけ?ロールスロイス???
運転席から白い手袋したおじさんが降りてきて
後ろのドアを恭しく開ける。   
中から4人の青年が降りてきた。

『若林さ〜ん!!!』
『うおッ!カッコイイ〜ッ!!!』

誰?

『お!今日はC4全員で御登校か』

シーフォ?御登校ってもうお昼だよ?
僕の不思議そうな顔を見て、松山が喋り出した。

『ホラ、あの髪の長い人…若島津健先輩。
 高等部の3年生でサッカー部のキーパーでもあるけど
 空手部の主将でもあるんだ。どんな球でも止めちゃうし
 メチャメチャ強えの!日本で一番有名な空手道場の息子で
 その流派の後継者でもあるんだぜ。スゲエ人気あるんだ』

サラサラとなびく髪をサッと払ってゆっくり歩き出した。

『その後の…髪の毛の茶色い人。アレが三杉淳先輩。
 サッカーも凄いけどムチャクチャ頭が良くて、
 大学の研究所の手伝いもしてるってウワサなんだ。
 家もすげえ金持ちだし、もの静かだけどいい人』

脇に抱えた本をスッと持ち直して、
若島津先輩と並んで歩き出した。

『あ!今頭に手をやった人が大空翼先輩。
 幼稚舎の頃からサッカーで有名なんだ。
 ブラジルのロベルト本郷に教えを受けて…多分
 今日本で一番のサッカープレイヤーじゃないかなぁ。
 お父さんがなんでも凄い船の船長でコレまた金持ち。
 あの人はサッカーに関しては本当に天才なんだぜ…
 俺達の憧れの先輩なんだ!』

松山がキラキラした目で大空先輩の話をした。
きっと、本当に凄いプレイヤーなんだろうなあ。

『最後に、あの帽子を被ってるのが若林源三先輩』

松山が指差した方向を見た。
なんか一番存在感ある。

『若林財閥の三男坊でちょっと鼻持ちならないヤツだけど
 キーパーとしては若島津さんは勿論、プロ顔負けで
 高校生なのに世界の舞台でも活躍してるんだぜ。
 この学園に寄付もイッパイしてるし、誰も頭があがんねえの』

帽子のせいで顔が良く見えないや。
大空先輩に何か話しかけてる。

『全員が金持ちで格好良くて、なにがしのキャプテンだから
 略してC4。学園以外にも広く存在を知られてるんだぜ。
 幼稚舎からいつも一緒でこの学園は彼らのモノって感じ』

ああ。僕、若林って人の事を雑誌で読んだことがある。
大空翼って名前だってちゃんと知ってる。
こんなに歳も近いのに凄いなあ…って感心したんだ。
そんな有名人と同じ学校なんて…ちょっと鼻が高いや。

その時、フと若林先輩が顔をあげた。
偶然かな、一瞬だったけど目が合った感じ。

フイと視線を外して、大空先輩と校舎に消えて行った。

『けどな、アイツらに近づかない方がいいぜ』
『え?なんで?』
松山が大きく溜息をつく。
『C4の連中。特に若林。アイツ、学園を牛耳ってるから
 自分の気に入らないヤツに青札を貼って
 学校辞めるまでイジメたりしてタチが悪いんだ』
『え?そんな風には見えないのに・・・』
『俺、何人も辞めたヤツ見てるよ』

本当。そんな感じには見えないのになあ…

『ま、いつも青札貼るのは若林さんだけだから
 俺達貧乏人はおとなしくしてればソレでOK』

なんか、やっぱり。
僕、変な所に来ちゃったカナ???


一応無事に数日間が過ぎた。
幸い、部活に関しては実力主義が流行ってて
僕も松山もソコソコの位置に居る事が出来た。
但し、お金持ち組と口をきいた事は無い。
C4もアレから全然見てないし。

一回、青札貼られたヤツを見た。
『あいつ、隣のクラスだった森崎』
フラフラして、全然精気の無い感じ。

『若林さんと若島津さんが居ない間、キーパーとして
 結構いい感じだったのに、ソレをちょっと鼻にかけたら
 若林さんの逆鱗に触れて青札貼られちゃったんだ。。。
 いいヤツだったのに、学校中からいじめられて・・・
 自主退学で今日は荷物を取りに来たらしいぜ』

青白くてなんか悲しそうな顔してる。

『お!森崎ジャン。あいつは一ヶ月だったな』
『バカだよな〜若林さんの悪口言うなんて』
『うわ!コッチ見た!』

なんか・・・胸の中がムカムカして来た。
先日までクラスメイトだった友達にそんな事言うなんて。
僕が口を開こうとした時、森崎と呼ばれた少年が
ドサドサッと本を落とした。一冊が僕の足元に滑って来る。

『あ…』

かがんで拾うとした僕の手を松山が掴む。

『やめろ。岬、お前、青札貼られたいのか?』

違う。違うけど…
だってこんなの、なんか変だよ・・・

森崎君が近寄って来て、僕の前で本を手に取った。

『ごめん・・・・・』

僕の口からつい、小さな声が漏れた。

『バカッ!岬、話しかけるな!!!』

松山の声がする。
だけどなんか、止められない。

『森崎君、ごめん』
『いいんだ・・・僕が悪かったんだ。
 若林さんに逆らうような真似しちゃったから』

力無く微笑んで、森崎君がくるりと背を向けた。・

辺りがシーンとしてる。

『アイツ、森崎に話しかけたぞ』
『若林さんに知れたら、こええぞ〜』
『次に青札貼られるの、アイツかな』

『岬、逃げるぞ!』

松山に引っ張られて僕は走り出した。
森崎君の背中が小さくなる・・・


『お前、絶対おとなしくしてろよ!』

松山が心底心配そうな顔して僕を見つめる。
そんなに青札って怖いのかな?
そんなに若林さんって怖いのかな?

お昼休み、なんか元気出なくて3階の非常階段に行った。
誰も居ない空間で、僕はやっと大きく息をつく。
なんか、この学校って    変。

『ばーーーーーーーーーーーかッ!』

叫んでなんかスッキリ!
だってあの森崎君の悲しそうな顔・・・
若林って人、ホントにひどい事するなあ。


『何してるの?』

突然の人の声に僕の心臓がドキリと鳴る。
え?
振り返ると、そこにC4の一人が居た。
ええ…っと……  大空翼!!!

『君も昼寝に来たの?』

昼寝?

『いえ…僕はその…ちょっと…空気を吸いに・・・』

そう。この変な学園の空気から逃れたかったから。

『ココは俺のお気に入りの場所だったんだ。
 誰も来ないから良く寝れるし…
 だから静かにしてくれるかい?』

大空翼が大きく伸びをした。

『あ…あの、誰も居ないと思ったから…ごめんなさい』

静かにする所かメチャ大声で叫んじゃったよ・・・

『ねえ、バカって誰の事?』

え?決まってるじゃないですか、
あなたの仲間の若林って人の事ですよ… 
                なんて言えないッ!!!

『あ…あの、ソレは…』
『別にいいけど』

なら聞かないで下さいよ。。。
この人、なんか空気ゆっくりだなあ。
本当に凄いプレイヤーなのかな?

『ねえ、君、名前なんて言うの?』
『ぼ…僕、岬太郎です』
『みさき…みさき…   ああ…』

え?僕の事知ってるの?

『知らないや』

ズッ… なんかこの人、調子狂うなあ。

『先週転校してきて、サッカー部に居ます』
『あ…君、サッカー部なんだ』
『そうです』

毎日サッカー部で練習してるけど、
一度も先輩のプレーは見たこと無い。
大空翼が僕の顔をじいいいいっと見つめる。

『今日も部活に居る?』
『はい…(もちろん)』

大空翼が僕の顔見て、ニッコリ笑った。

『久々に顔を出すよ』
『え?』
『岬クンのプレー、見てみたいから』

なんか、ちょっとその…
わかんないけど、胸がドキドキした。



『岬、こっちこっち!!!』
僕は仕方なく松山の呼ぶ方に身体を向けた。
転入してきた僕に唯一優しく接してくれる松山。
手にしてる箒を僕の方に指して
『ココ、掃いたからモップよろしく』
にっこりと笑いかけてくる。
『うん』
誰も僕たちの言葉なんて聞いてない。
誰かが僕の生い立ちを調べてきて、
僕は【貧乏人】のレッテルを貼られた。
そう、
この私立陽壱学園では貧乏人は相手にされないんだ。
静かな、静かな学園生活。
なのに今日、いきなり大空翼が飛び込んできた。

『(放課後、楽しみだな…)』

『岬、ゴミ捨てに行こうぜ』
『うん』

校舎を抜けて、松山と焼却炉までの道を歩いてた。
木陰から人の声が聞こえて来る。

『なんでだよ、翼』
『別に。ちょっと気分で』
『部活なんて出ないで遊びに行こうぜ』
『翼も、ホント物好きだよな』
『ちょっと顔出すくらいだよ。一応、キャプテンだし』
『バーカ、翼、オレがキャプテンだって!』

うッ!!!    C4だッ!!!

僕は松山と顔を見合わせて足を急がせた。

『ちょっと、気になる子が居るんだ』
『何だよ、翼…ホレたのか???』
『ちが…ッ』
『翼にはロベルトが居るから違うだろ!』
『源三今日来て無いけど、そんなの聞いたら笑うだろうなあ』

大空翼の気になる子?

『今日初めて会ったけど、いいプレーしそうなんだ』

もしかして…

『その子のプレーを見てみたいなあ…なんて』
『なんだよ、翼がそんな事言うの、珍しいじゃん!』

急いでその場を離れてゴミを空けた。

『いいプレーしそうなんだ』

大空翼の声が耳に残る。


帰りは違う道を通って教室に向かった。
『ん?どうした岬?顔が赤いぞ』
『な…なんでも無いよ』

世界にも通用する大空翼が
僕のプレーを見てみたい…だって!

よしッ!ガンバロウッ!!!



『じゃあ次は試合形式で行くから』

先生が適当にチーム分けをして紅白の襷をかける。
良かった、松山と同じチームだ。

にしても…
大空翼  来ないなあ。。。


『岬、先制攻撃行くぞ』
『うん』

松山が蹴り出したボールを僕が拾って、
松山にパス。相手チームに防がれながらも
松山が懸命に僕にパスを出した…走りながら思う。
誰か…誰か居ないかな・・・

『こっち!』

誰だか分からないけど、僕は大きくセンタリングをあげた。
その姿が宙を舞って、鋭いシュートが突き刺さる。

ヤッタ!

って・・・え???

『ナイス!岬クン』

僕の目の前に大空翼が居た。

『次は僕たちでワンツー、シュート決めろよ』

立ちすくむ僕の肩に手を置いて、大空翼がニッコリ笑う。

『行くよ、岬クン』
『は…ハイッ!』

笛の音の後、僕が出したパスを、
大空翼が出したバスを…どんどん繋いでいく。
なんで?
なんでこんなに通じ合えるのかな?
どこに大空翼が居るのか分かる。
たくみなドリブルで相手をかわして、
僕の足元に絶妙なパスを通してくる。

『ホラ、岬クン!!!』

大空翼のパスをそのままシュートした。

キーパーは一歩も動けず。
僕がシュートするなんて思って無かったんだろうナ。
でも  最高に気持ちイイ!!!

『凄いよ、岬クン!』

さっき、非常階段で会ったときと別人みたい。
キラキラ輝く笑顔で僕の手を握る。

『凄い』

大空翼の笑顔に、僕の方がクラクラした。

『俺、こんなに息の合うヤツに初めて会った』
『ぼ…僕もです…』

いつの間にか僕等の周りに人垣が出来てた。

『なんだよ、岬、スゲエじゃん』
『お前、やるなあ!』
『大空先輩と息ピッタリだったよ!』
今まで話した事も無い、金持ち組まで居る。

『ホント、久々に楽しかった』

大空翼の笑顔。
なんか、凄くいい。
僕等のあの、言葉にならない会話。
ボールが繋ぐ信頼感。


『翼、もういいだろ!』

遠くから声がした。

『健…淳…』

僕の目の前にC4の2人が立ってた。

『なんか君、凄いね、翼と同等に走ってた』
『俺ならあのシュート、取れたけどね』
三杉先輩が僕の顔をジッと見つめた。
『へえ、プレイに似合わず、可愛い顔してるね』
若島津先輩が大空翼をグリグリっとこづく。
『翼もスミに置けないなあ』
大空が翼が照れ臭そうに笑った。
『今日はパーティだって言っといただろ、行くぞ』
『じゅあ…』
大空翼がその手を出した。
『また一緒に走ろう・・・岬クン』
『あ…ハイ・・・』
大きくて暖かい手を握る。
『僕…僕も凄く楽しかったデス!!!』
うわぁ…顔から火が出そうだよ〜ッ

『また』

『岬、やるなあ〜!翼先輩と息ピッタリだったぜ』
松山が思いっきり僕の背中を叩く。

『うん』

なんか、学園に来て初めて笑った気がする。
部活が終って、貧乏人の僕たちはグラウンドの整備をした。
ボールを拾って、芝生の整備して
貧乏人の役目ってヤツ?
いつもは不条理だなぁって思ったけど
今日はそんな仕事でさえも楽しく思った。
大空翼とのプレーのせいかな?


『電気消すぞ』
『うん』

僕等はバタバタと校舎を抜けて行った。

『岬ヤバイ!今日、俺、塾があるんだよ!』
『僕もバイトに遅れそう…松山!急ごう!!!』
『あ…』

それは、スローモーションの映像だった。
松山が一歩踏み外した階段。
僕は一瞬手を出したけど掴めなくて
松山の体が大きく前に飛び出して行った。
階段の下の人影。。。

松山がぶつかって、その帽子がどこかに飛んだ。


『いってえ・・・』
『松山、大丈夫?』
『大丈夫…』

イタタ…と起き上がろうとする松山。。。

『大丈夫じゃねえッ!!!』

突然の大きな声に僕の体が硬直する。

『あ…』
『わ…わかばやし  … さん』

松山の体の下に、大きな体が横たわってた。
起き上がって松山の胸座をグッと掴む。

『てめえ!!!』

松山が殴られる!
と思った瞬間に、自分の体が動いてた。
松山と若林さんの間に身体を押し込める。

『ワザとじゃないんです!ごめんなさいッ!!!』

若林さんのこと、初めて間近で見た。
精悍な顔つき。
凄い鋭い目。
その鋭い眼光に、体が一瞬痺れた。

『なんだ、てめえは・・』
『僕、2−Bの岬です、本当にごめんなさいッ』

一瞬、若林さんの顔がポカンと僕を見つめる。

『あの…』
僕の顔に何かついてんのかな?

『わかばや…』
僕が手を伸ばして軽く頬に触れた時、
若林さんがパチパチッと瞬きした。

『お前ら・・・タダで済むと思うなよッ』

なんか急いで立ち上がった若林さんに
松山が手元にあった帽子を渡した。

『もう一度聞く。お前の名前は?』
『2−Bの岬…岬太郎です』

『岬か・・・覚悟しとけ』

そのまま、何も言わずに立ち去って行った。



                        
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