『隣の岬くん』



日もかなり高くなり雲ひとつない晴天の下、
俺はその明るい日差しとは反対の暗
い部屋を作り出しているカーテンの隙間から、隣の家を覗き見た。

パン

と音が聞こえてくる勢いでシーツを広げている彼。
名前は岬太郎くん。
今、外で輝いている日差しそのままに眩しい笑顔で洗濯物を干している。
綺麗な芝生にちょっと不似合いな健康サンダルなるものを履いていて、
そのサンダルの先に見える爪先は足という普通に考えればあまり綺麗な
イメージがないものなのに、俺はその足の指一つ一つでさえ彼の身体の
一部だと思うだけで脳天にカミナリが走ったようにビリビリと感じる。

カーテン、窓、壁、庭の柵、芝生・・・。

俺と彼を隔てているそれらを超えて今すぐ彼の傍へ駆け寄りたい衝動を抑え、
手にしている双眼鏡に食い入るように目を凝らした。
あぁ、もう洗濯物も干し終わり、家の中に入って行ってしまう。
名残惜しい・・・。

くるりと向きを変え、赤い屋根を持つここ辺り一帯の中ではかなりの大きさ
を誇る家の、これまたガラス戸からリビングに繋がる部屋へと上がろうと
サンダルを脱いで、ふ、と彼は顔を上げた。
正面にあたる部屋の中へ向かって何か囁いているように見えたその瞬間、
ガラス戸の中から手が伸びてきて彼の腰を掴んだ。



と思った瞬間、部屋の中にいた人物の顔も伺える角度でキスをした。

かっ

と見ている方が赤面してしまうほどの強烈なシーン。
まぁ、見ている者がいるとは思っていないのだろうから、行われる行動では
あるのだろうが。

俺はキスシーンに単純に赤面すると同時に、違う意味でも顔を赤くしてしまった。

毎日毎日、カーテンの隙間から観察しつづけいている俺。いや、見守って
いるという言い方が正しいだろう。
そのことを隣の住人である岬くんと彼とキスをした人物、若林源三は知らない。
観察日記を書けと言われれば自信を持ってノートをすぐに全部埋めてしまう
こともできるほど、毎日彼らを見続けた。




かわいらしい岬くんと一緒に住んでいる見苦しいことこの上な男、若林源三。
華奢で線の細いスラリとした体で俺を魅了して止まない岬くん。茶色い髪もさら
さらと音を立てて俺を誘っているように思える。笑顔が絶えない中にも怒った顔
や拗ねた顔、くるくると変わり飽きもしない豊かな表情。
それにくらべ、でかいだけが脳といわんばかりの硬そうな体にごつい首。髪もバ
サバサと痛んでいることが想像に難くない。家にいる間は、どこぞのぐうたら亭
主よろしくゴロゴロと寝ている。

何故、岬くんはあんな熊みたいな野蛮な男と一緒にいるのだろう。
何故、岬くんは家ではいつも寝てばかりいるつまらない男と一緒にいるのだろう。
確かにサッカーというスポーツでは右に出るものがいないほどのGKだという事
は知っている。新聞もTVも彼をよく取り上げているから。
しかし、岬くんも同様にサッカーではかなり人気と実力を伴っているのも知って
いる。
いや、熊男よりも、ずっと岬くんはすばらしい。何せあの、世界トップのサッカ
ー選手、大空翼とコンビを組んでいるほどだから。
だから、岬くんに熊男は似合わない。熊男には岬くんはもったいない。


どうせなら・・・。


どうせなら、俺のような男の方がずっと岬くんに合っている。
俺のような優秀で繊細で。誰よりも岬くんを思っている男の方が。

と、思考を巡らしていたら音が聞こえた気がした。

バシッ

どうやら、岬くんが熊男を叩いているようだった。
叩いたといっても軽くだろうが、恥かしかったのだろう。岬くんの頬がちょっと
赤く染まっている。
岬くんの可憐な心がわからない熊男め。
熊男は誰も見ていないと思っているのだろうが、そうは問屋だ。
しっかりと岬くんのことは俺が見ている。熊男が知らない時も。
熊男が知らないことも。
彼らの家の間取りだって知っているのだ。よくお邪魔しているからね。
熊男がいない時に。




今日は平日で、普通のサラリーマンならとっくに会社へご出勤なのだが、彼らの
生活は違う。スポーツ選手の彼らは土日に試合が組まれていることが多いから、
平日の今日は彼らの休日だ。
みんなと休みが違うから外出は混まなくていい反面、ちょっと寂しいかも。だか
らほとんどを家で過すことが多いと。
先日、頂き物のお菓子を届けにいったらそのようなことを岬くんは言っていた。
だから今日はお隣にはお邪魔することができない。
きっとふたりで1日家で過すのだろう。
残念だ。
だが、熊男は気に食わないが、こういった世間では平日の、彼らには休日である
日は俺もまた別の楽しい時間が来る事も知っている。


ほら、もうすぐ始まる。
俺の大好きな岬くんの、感極まる声が聞く事ができる。
2人が入っていった、ガラス戸を確認して、次にその大きな家の2階にある角部屋
の窓に視線を移す。

するとこの俺が今引いているように向うの窓のカーテンも引かれた。
流れ作業のような隣の家の動きを全て確認すると、俺は後ろのベッドサイドに置
かれた多種多様なスイッチをONに切り替えた。



しばらくすると、先ほど洗濯物を干すときには聞こえなかった、美しい岬くんの
官能的な声がスイッチのすぐ横にあるスピーカーから流れてきて、俺の脳を刺激
しだした。


その声に全身を浸しながら俺もベッドへと足を運んだ。



END

オレ(ヨネスケ/麗)はスピーカーから流れる
愛くるしい岬くんの声、カメラに写る
若林の愛撫に悶える姿を見て
自分が岬くんを犯す所を想像した。
あの滑らかな肌はどんな味がするのだろう…
ウッ…と熱い精をほとぼらせて身を起こす。
そう。熊男にだけそんな特権が
許されて良い訳は無い。
絶対に邪魔してヤル!

オレは服を来て、
玄関に投げ出された回覧板を掴むと
ゆっくりと若林邸に向かった。

ピンポーン♪♪♪

ベルを押してもなかなか反応が無い。
なんせお楽しみの途中だからな…
でもオレは知ってるんだぜ、
居留守なんて使わせるモンか!

まるで取立て屋の如くベルを連打する。
その時…静かに玄関が開いた。



そこには怒りも露な若林が立っていた…
チクショ〜ッ!!!
でも、岬君のチラリと覗く胸元と
なまめかしいフトモモ見れたから…ま、いっか★

チクショ、若林…オレは負けねえゾ〜ッ!!!


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何か激しく勘違いしています、私・・・。
ってなシロモノになってしまいました。(うわぉ)


さんたさ〜ん☆(*▽*)
全然そんな事ないですよ〜ッ!!!!
すっかりオイラは隣のヨネスケ気分です★
うきゃ!次回も邪魔してヤルゥゥゥ〜
Ψ(`∀´)Ψウケケケ
忙しいのに2作品も…ホントに
ホントに…ありがとうゴザイマシタvvv

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愛情フォーエバー






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