『初日の出』
「岬、初日の出見に行こうか?」
若林くんのその一言でボクは彼と一緒に、
初日の出を見に行く事にした。
ハンブルグ市内の外アルスター湖、
まだ真夜中と言うせいもあって、
最初ボク達だけだったが、
その後日本人観光客や地元の人等が、
少しづつだが訪れていた。
「若林さん、岬、明けましておめでとう御座います!!」
「若林くん、岬くん、明けましておめでとう!!」
「翼・・・井沢に中沢まで・・・!」
「翼くん、あねごに井沢くん達まで・・・明けましておめでとう」
後ろから懐かしい声が聞こえる、
それにふと気づくと、翼くんやあねご、井沢くんたちが居た。
「何でお前等が・・・」
「俺たち若林さん達に逢いに行きたくて・・・」
「翼くんまで・・・」
「俺、岬くんに逢いたくて・・・」
翼くんがボクをいきなり抱き締める・・・、
「翼くん・・・後ろ」
「岬くん・・・?」
ボクを抱き締める翼くんの背後で
あねごと若林くんがジェラシーオーラを出していた。
「つ〜ば〜さ〜く〜ん〜!!」
「翼・・・岬から離れろ・・・!!」
「わっ、早苗、若林くんまで・・・!!」
それに気づいた翼くんはとっさにボクから身体を離す。
そんなこんなで時間が過ぎていった。
やがて、外アルスター湖の向こう側から朝日が昇り始めた。
ボク達は一緒に手を会わせて初日の出に拝んだ。
そして、その後・・・、
「皆は何拝んだの?」
「俺はワールドカップで優勝します様に・・・てねっ」
「俺は反町と幸せになります様に・・・///」
「俺も同じ・・・」
「若林くんは何拝んだの?」
「そう言うお前は何を拝んだ?」
「ボクは・・・今年も、そしてこれからもずっと、
若林くんと一緒にいれたらいいなぁ・・・って////」
「そうか、俺はな・・・教えな〜い!!」
「もうっ・・・ボクには聞いて、
若林くんは教えてくれないなんて不公平〜!!」
でも、ボクは彼の言いたかった事を知っていたのです。
「俺も、今年もそしてこれからもお前と一緒に居れます様に」って。
・・・Fin |